海のレシピ project

Manazuru

ダイバーを魅了する、“お林”が見守るまち

[神奈川県 真鶴町]

2023.01.19 UP

東京から1時間と少しで到着する神奈川県の真鶴町。この町に拠点を置く岡本美鈴さんは世界大会での優勝経験も多数の日本を代表するフリーダイビングの選手だ。30歳の時、小笠原のイルカと泳ぎたいという一心でカナヅチを克服し、この真鶴でダイビングを学んだ。海洋保全のPR活動を行う「Marin Action」の代表も務める岡本さんに会いに出かけた。

レシピ

アジフライ

[アジ]

全国の沿岸で水揚げされるアジは、日本中の食卓でおなじみの魚。値段も手頃で調理のバリエーションも広いので、初めて魚を捌いてみるなら、脂が程よくのった中くらいの大きさのアジがうってつけだ。魚の中骨から右側の半身と左側の半身を切り分けることを「三枚におろす」というが、切り分けられた身は二枚。板状に残った中骨も合わせて「三枚」と数えることはご存じだろうか。アジを三枚におろしてみれば魚の基本構造がよくわかり、他の様々な魚の下処理にも応用ができる。
アジの構造で特徴的なのは、尾から左右の胸ビレに向かってまっすぐに付いている「ゼイゴ」。これは堅いトゲ状のうろこで口当たりが悪いので、皮付きのまま調理する場合は、身をおろす前にそぎ取っておくのを忘れずに。
新鮮な身を自分で三枚におろしてつくった自家製アジフライは、さっくり、ふわふわ。これを一度味わったら、もう惣菜店や定食屋のものには満足できなくなってしまうかもしれない。

[作り方]

材料(2人分)
アジ1尾(220~230g)/酒 小さじ1/生姜汁 小さじ1/2/塩 少々/小麦粉(できれば強力粉)大さじ1/水 大さじ1/パン粉 適量/揚げ油 適量/キャベツ(せん切り)適量/レモン(くし形)2切れ


■三枚おろし
1)アジは表面のうろこを取る。エラぶたをめくってエラの付け根を切り離し、内臓ごと引き抜く。腹側に切り目を入れて残った内臓を除き、中骨に沿って血合に切り目を入れる。

2)ボウルにはった塩水(分量外)の中でさっと洗い、ペーパータオルで水気をしっかりと拭き取る。

3)尾の付け根に包丁を水平に入れて前後に動かしながらゼイゴをそぎ取る。胸ビレの下側に包丁を入れ、頭を切り落とす。

4)上身の腹側から包丁を入れ、刃先を中骨に当てながら数回引いて半身を切る。向きを変えて背側からも同様にして切り、尾の付け根で切り離す。上下を返し、裏側は背側、腹側の順に包丁を入れて身を切り離す。

5)それぞれの身に付いている腹骨をそぐようにして除き、残っている骨を骨抜きで抜く。

参考:さばき方 [入門編]
日本さばけるプロジェクト(海と日本プロジェクト)
https://youtu.be/DQxBMW3vcBY

手順
1)三枚におろしたアジの身側を上にして酒、生姜汁、塩をふってなじませ、冷蔵庫に30分間ほどおく。

2)分量の水と小麦粉を混ぜて卵に加え、よく混ぜてバッター液を作る※。アジの水気を拭いて小麦粉(分量外)を多めにまぶし、しっかりと余分をはたいてからバッター液にくぐらせ、パン粉をつける。

3)180℃に熱した揚油に入れ、片面1分、裏返して30秒ほど揚げて油をよく切る。キャベツとレモンを添えて器に盛る。
※小麦粉、卵、牛乳などを水で合わせた生地。

料理を担当したひと:
大黒谷寿恵(寿家主宰)
石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。2006年kurkku cafeのディレクター兼料理長に就任。独立後は講師、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業。野菜や日本の伝統食材を用いた料理を得意とする。2015年に「にほんのごはん」のサイトを立ち上げる。共著に『和サラダ/和マリネ』(エイ出版)がある。

文:奈良結子
写真:高村瑞穂