海のレシピ project

Mutsu

ホタテのひとさらにみる美しい海

[青森県 むつ市]

2022.04.22 UP

風はどこからやってくる?15世紀に描かれたサンドロ・ボッティチェッリの絵画『ヴィーナスの誕生』では、ギリシャ神話に登場するゼフュロスの吹く風が、海から生まれたヴィーナスを浜辺へと送り届ける様子が描かれている。この古典絵画に向き合いながら、地球の未来への希望を見いだしたい。今、地球上で起こっている気候変動は自然の要因に加え、人間の社会活動も影響していることを自覚して。

レシピ

帆立のちゃんちゃん焼き仕立て

[帆立(ホタテ)]

ホタテの語源は、二枚貝の一方を船、もう一方を帆のように立てて走ると信じられていたことによる。実際は貝殻を開閉して噴射する海水の勢いで移動する。主に北海道や青森、三陸地方などに生息し、産地によって、旬の時期も異なるが、天然物には冬と夏の2回、旬があるので、季節によって料理も工夫したい。料理家の大黒谷さんに、ホタテのうま味をたっぷり味わえるちゃんちゃん焼き仕立てのレシピを考案してもらった。

[作り方]

[作り方]
「ちゃんちゃん焼き」は鮭と旬の野菜を蒸し焼きにした北海道の郷土料理として伝わる。“ちゃっちゃとつくれるから”とか“焼くときにヘラがちゃんちゃんという音を立てるから”など由来は諸説あるようだ。
ここでは、貝殻付きのホタテを用意して、下ごしらえ。いったん、フライパンで具材を炒めてから、味を調え、貝殻にのせたら、直火にかけてちゃっちゃっと調理しよう。最後に加えるバターの香りが食をそそる。アクセントに、お好みで、わさびかゆず胡椒、もしくは生姜醤油を加えてもおいしい。

材料(2人分)
殻付き帆立 2個/甘酒 30g/味噌 15g/長ねぎ 1/2本/ エリンギ 2本/長芋 5cm/白菜 1枚/バター 15g/酒 大さじ3(蒸発するので4)

手順
1)殻の平らな部分を下にして、隙間に指をあててヘラやディナーナイフなどを差し入れて貝柱と殻を引き離す。中身を一度取り出して、ヒモは表面を包丁でこそいで滑りを取る。その他の部分も塩水でさっと洗って水気を拭く。

2)長ねぎは細かく切り込みを入れて4等分に切る。エリンギは大きめに縦に割く。長芋はひげ根を火で炙って落とし、皮ごとよく洗う。

3)甘酒と味噌を混ぜておく。

4)フライパンを温め、長ねぎとエリンギを入れ中火弱でじっくりと両面に焼き色をつけて取り出す。一度フライパンを洗って温め、バター10gを入れて長芋と帆立の肝の部分を入れてじっくりと火が通るまで焼いて取り出す。帆立の貝柱とヒモも強火でさっと焼いて取り出す。フライパンに酒を加えて周りについた旨味をこそいで3)の甘酒味噌に加えて混ぜる。

5)貝殻2枚に4)の甘酒味噌を2等分して入れて火に網の上に置いて火にかける(もしくは魚焼きグリルで)。グツグツとしてきたら帆立の貝柱とヒモ、肝の部分、バター5gを加えてもう一煮立ちさせる。

6)5)を野菜類と一緒に皿に盛り、甘酒味噌に絡ませながら食す。

point 帆立の貝柱は硬くなるのであまり火を通し過ぎないように。肝の部分などはしっかり火を通す。

料理を担当したひと:
大黒谷寿恵(寿家主宰)
石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。2006年kurkku cafeのディレクター兼料理長に就任。独立後は講師、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業。野菜や日本の伝統食材を用いた料理を得意とする。2015年に「にほんのごはん」のサイトを立ち上げる。共著に『和サラダ/和マリネ』(エイ出版)がある。

写真:高村瑞穂