みんなの海の思い出から生まれた作品
2024.03.31 UP
海の思い出を集めるプロジェクト「うみつづり」は、一人でも多くの人が日常で海を思う時間をつくるために「海のレシピproject」が2023年より始めた企画です。
これまでに1,000を超える海の思い出が全国から寄せられました。集まった海の思い出をアイディアの源として、毎年違うアーティストが新たな作品(小説・音楽・絵画・アートなど)をつくりだします。
第1回は「海のレシピproject」の大きなテーマのひとつである「ものがたり」。
「うみつづり」の思い出からインスピレーションを得たショートショートの小説ができました。このものがたりを、音声コンテンツにしてお届けします。
制作には、海を身近に思い愛する3名に携わっていただきました。
小説「波間のラジオ」を執筆したのはショートショート作家の田丸雅智さん。松山市の海辺の町・三津浜で育ち、祖父が造船業に携わっていたこともあり、海への思い入れも強い田丸は著書『海色の壜』のあとがきでは「海の思い出をはじめとし、多くの大切なものを詰め込みました」と語っています。
朗読を担当した女優の鶴田真由さんは、鎌倉生まれ、鎌倉育ち。現在も東京と二拠点で海のそばで暮らす日々を送っています。
そして朗読にのせる音楽は青柳拓次さんによるもの。青柳さんは沖縄での移住経験があり、「海のレシピproject」では長崎の民謡「五島ハイヤ節」にまつわる取材で共に福江島を訪ねています。
「波間のラジオ」の音声コンテンツは、海が身近で大切に思う3名と、「うみつづり」に思い出を綴って参加した方々と共に完成させた作品です。
ご自宅でも、旅先でも。
海を感じる「ものがたり」をどうぞお愉しみください。
小説「波間のラジオ」
作:田丸雅智
朗読:鶴田真由(女優)
音楽:青柳拓次(作曲家、ギタリスト)
題字・イラスト:濱 愛子(イラストレーター)
編集:星野有樹
<プロフィール>
田丸雅智
1987年、愛媛県松山市出まれ。東京大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。現代ショートショートの旗手として執筆活動に加え、「坊っちゃん文学賞」などにおいて審査員長を務める。また、全国各地で創作講座を開催するなど幅広く活動している。松山市の海辺の町・三津浜で育ち、海への思い入れも強い。著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座』『言語表現の名手20人から学ぶ ことばの魔法』など多数。メディア出演に「情熱大陸」など多数。
https://masatomotamaru.com
鶴田真由
1988年女優デビュー。その後、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活動。1996年には「きけ、わだつみの声」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年はドラマ「山女日記3」「個人差あります」「らんまん」「自転しながら公転する」、映画「日日是好日」「ノイズ」「やがて海へと届く」「かぞく」など話題作に出演。旅番組、ドキュメンタリー番組への出演も多い。また近年、音楽家など様々なアーティストとジャンルの粋を超えた活動を精力的に行い、クリエイションの場を広げている。
青柳拓次
音楽家。1990年にLittle Creaturesでデビュー。その後Double Famous、ソロでも活動。KAMA AINA名義では、イギリス、デンマーク、ドイツのレーベルからアルバムをリリース。これまでに国内外の舞台音楽を数々手掛け、ドキュメントを含む7作品の映画音楽を作曲。2013年より声を響き合わせるワークショップCIRCLE VOICEをスタート。2020年には、その活動を主題とした映画『RESONANCE』が公開された。
https://linktr.ee/takujiaoyagi
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「うみつづり」とは、海にまつわる思い出を集めるプロジェクト。
思い出す時間そのものが海を思うことにも繋がっています。
私たちは、一人ひとりが思い出を綴っていく先に、海のいまを知り、海と繋がり直す無数の接点が存在していると感じ、「うみつづり」をスタートさせました。
集まった海の思い出から見えてくる風景をヒントに、海と私たちの未来を一緒に考えていきませんか?